LIFE

かないくん展に行ってきた。

2014.05.26 | Category : LIFENo Comments » 

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『かないくん展』行ってきました。

詩:谷川俊太郎
絵:松本大洋
装丁:祖父江慎
企画監修:糸井重里

という、なんとも私得なメンツな絵本。
特色6色印刷で原画の「白」を再現したという話しを聞き
みてみたいと思っていたので、行けて大満足。

この絵本、発売日に購入したのだけど
絵の力・詩の心地よさ以外にもホワイトスペースの力というのをとても感じて。
デザインする上でホワイトスペースって大切な要素だと思っているんだけど、
この絵本はそれがほんとに心地よくて。
その「無」の空間があるからこそ、伝わるなにかがあるなあと、

『死ぬとどうなるの』

エントランスをくぐると、左手に遺影になった糸井さんが(写真は忘れた)
なんと斬新な(笑)
そこから2歩、足を進めると谷川さんの詩が。

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『死と炎』
「そのどれひとつとして わたしはたずさえてゆこことができない」
印象的な小節だった。

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そこから回れ右すると表紙に使われた原画が、大きく引き延ばされていて。
“紙が継ぎ足されているのは表紙の帯が入る位置を考慮して
レイアウトし直したから。
「この表紙の絵に、絵本全体の80%の力を使ってます」”

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壁に子どもから大人までさまざまな年代の人たちの
「死ぬとどうなるの。」の答えが書かれている。なかなか興味深い。

 

さー、ここからかないくんが展示の世界へ誘ってくれるよ。

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対になってる壁の色が黒というのも「死」と隣り合わせ。
な感じを想像させられた。

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こんなかんじで、構成案が展示されていました。
“まだ絵としてではなく、あくまでも「案」として描かれている。
(中略)構成案は、ときに部分的に枝分かれし、何パターンもつくられた。”

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松本大洋さんの手書きのネーム。こういう字を書くんだねー。
こういうの見れるのって嬉しいよね。

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未使用の原画と下絵のコーナー。
“入稿用に描かれたものの、使われなかった下絵と原画”

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「思いは手から伝わる」を思い出した(笑)手の絵。
手って、モチーフとして、色々な想像力を働かせてくれそう。

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下絵と原画コーナー。

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全体的に白が重なっているの。素敵だよね。
これってホワイトのダブルトーンていう手法を使ってて、
CMY+特色のスミ+ホワイトダブルトーンで6色印刷なんだって!(興奮!)
詳しくはここに載ってます。すごい面白い!

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ひととおり終わると素敵な原画とお言葉が。
絵本が完成すると、かないくんは死んでしまうんだよね。
そう思うと切なくなる。
この額が遺影のように見えて。

「死」というものは普段考えないけれど
身近な人の死に関わった時、初めて「死」ということが現実に思えて。
いろいろなことを考えさせてもらえる、機会をもらえる素敵な絵本。
詩も絵も素晴らしい。

かないくん展はすべてが撮影OKで。
ここぞとばかりに撮りまくってきてしまったけれど、
こうやって見返してみると何度でも何度でも展示会にいけるようで。
原画の力って、すごいなあ。間近で見られるって興奮!
素敵な展示会をありがとうございました。

空間の一つひとつに意味がある、そんな展示会でした。

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